Shopifyで海外向けECを作るには何が必要か?
前回の記事では、「越境ECで最初に狙う国はどう考えるべきか?」というテーマで、海外販売を始めるときの国選定について考えました。
越境ECでは、いきなり世界中に売ろうとするより、まずは1国、1商品、1チャネルで小さく検証する方が現実的だと思います。
では、狙う国や商品がある程度見えてきたら、次に必要になるのは何でしょうか。
その選択肢の一つが、Shopifyで海外向けECを作ることです。
Shopifyは、自社ECを作れるプラットフォームとして多くのブランドに使われています。海外向け販売、多言語、多通貨、アプリ連携、決済、配送などとも相性が良く、越境ECを考えるうえで有力な選択肢の一つです。
ただし、Shopifyでサイトを作れば海外に売れる、というほど単純ではありません。
英語のページを作るだけでも足りません。
海外向けECで大事なのは、「海外から買えるサイト」を作ることではなく、「海外の人が安心して買えるサイト」を作ることです。
今回は、「Shopifyで海外向けECを作るには何が必要か?」というテーマで、サイト構築だけでなく、国選定、商品ページ、言語、決済、配送、関税、返品、規制、信頼形成、集客導線まで含めて整理してみます。
- 結論:海外向けShopifyは「買える状態」ではなく「安心して買える状態」を作ることが重要
- そもそもShopifyとは何か
- Shopifyで海外向けECを作る前に決めるべきこと
- 海外向けShopifyで必要な基本要素
- 海外向けの商品ページで意識すべきこと
- Shopifyで海外向けECを作るときの集客導線
- ShopifyとAmazon・Shopee・eBayの違い
- 最初に作るなら「完璧な海外EC」より「検証できる海外EC」
- よくある失敗パターン
- 日本企業・個人が学べること
- 個人が小さく始めるならどんなアイデアがあるか
- Shopify海外向けECのチェックリスト
- マーケティング視点でのまとめ
- 今後の考察:Shopifyは土台であり、売れる理由は別に作る必要がある
- まとめ:Shopify海外向けECは「作る」より「買いやすく設計する」が大事
結論:海外向けShopifyは「買える状態」ではなく「安心して買える状態」を作ることが重要
まず結論から言うと、Shopifyで海外向けECを作るには、サイト構築だけでは不十分です。
必要になるのは、以下のような要素です。
・どの国を最初に狙うのか
・誰に売るのか
・何を売るのか
・なぜその商品が海外で買われるのか
・商品価値を英語や対象国の言語で伝えられるか
・価格や通貨はわかりやすいか
・決済方法は対象国に合っているか
・配送可能国、送料、配送日数は明確か
・関税や税金の説明はあるか
・返品や交換のルールはわかりやすいか
・規制や販売条件は確認できているか
・レビュー、FAQ、会社情報など信頼材料はあるか
・SNS、SEO、広告、インフルエンサーなどの集客導線はあるか
・購入後にレビューや再購入につなげる仕組みはあるか
重要なのは、「海外からアクセスできるサイト」ではありません。
海外の人が見て、理解できて、不安なく買えて、届くイメージを持てるサイトにすることです。
最初からフル装備の海外ECを目指す必要はありません。
むしろ、最初は1国、1商品、1導線に絞り、小さく検証できる状態を作る方が現実的だと感じます。
そもそもShopifyとは何か
Shopifyは、ECサイトを作れるプラットフォームです。
商品ページ、カート、決済、在庫管理、注文管理、顧客管理など、ECに必要な基本機能を備えています。
Amazonや楽天のようなモールとは違い、自社ブランドの世界観を出しやすいのが特徴です。
モールでは、購入者は「Amazonで買った」「楽天で買った」と感じやすいですが、自社ECでは、ブランドのサイトに来てもらい、ブランドの世界観やストーリーを伝えながら購入してもらうことができます。
また、自社ECでは、顧客データやメール接点を持ちやすい点も重要です。
誰が買ったのか。
何を買ったのか。
どの国からアクセスがあったのか。
どの商品ページが見られているのか。
購入後に再接点を作れるのか。
こうした情報をもとに改善できます。
Shopifyは、海外向けEC、多言語、多通貨、アプリ連携、決済、配送などとも相性があります。
ただし、Shopifyを作っただけで集客できるわけではありません。
自社ECは、自由度が高い一方で、集客も信頼形成も自分たちで設計する必要があります。
Shopifyで海外向けECを作る前に決めるべきこと
A. どの国を最初に狙うのか
まず決めるべきは、どの国を最初に狙うのかです。
海外向けECというと、つい「全世界対応」にしたくなります。
しかし、最初から全世界向けにすると、言語、価格、配送、規制、商品説明、広告、カスタマー対応が一気に複雑になります。
前回の記事でも整理したように、最初は市場規模よりも、商品との相性や検証しやすさを見る方が現実的です。
たとえば、
アメリカ向けに日本の文房具を売る。
台湾向けに日本の食品や雑貨を売る。
シンガポール向けにギフト商品を売る。
海外の抹茶好き向けに日本茶を売る。
このように、最初は国や顧客を絞る方が、商品ページや集客導線も作りやすくなります。
B. 誰に売るのか
国を決めるだけでは足りません。
その国の中の誰に売るのかを決める必要があります。
たとえば、「アメリカに売る」だけでは広すぎます。
アメリカの抹茶好きなのか。
日本旅行経験者なのか。
アニメや日本文化が好きな人なのか。
文房具好きなのか。
健康志向の人なのか。
ギフトを探している人なのか。
ターゲットが曖昧だと、商品ページも広告もSNSもぼやけます。
逆に、誰に売るのかが明確になると、どんな写真を使うべきか、どんな英語表現にするべきか、どんな不安を解消すべきかが見えやすくなります。
C. 何を売るのか
海外向けShopifyを始めるとき、最初から商品数を増やしすぎない方がよいと思います。
商品が多いと、一見充実して見えます。
しかし、商品ページの翻訳、写真、説明、配送条件、在庫管理、規制確認、広告運用が複雑になります。
最初は、テストしやすい商品に絞る方が現実的です。
たとえば、
軽い。
壊れにくい。
説明しやすい。
ストーリーがある。
リピート性がある。
動画で魅力が伝わる。
海外ユーザーにとってわかりやすい。
こうした商品は、最初の検証に向いている可能性があります。
一方で、食品、化粧品、サプリメント、酒類などは、国ごとの規制確認が必要です。
D. なぜその商品が海外で買われるのか
海外向けECでは、「品質が良いから買ってください」だけでは弱いです。
海外ユーザーにとって、なぜその商品を日本から買う価値があるのかを言語化する必要があります。
日本らしさ。
機能性。
ギフト性。
体験性。
ストーリー。
動画映え。
職人性。
限定感。
訪日体験の再現。
現地では手に入りにくいこと。
このように、海外ユーザーにとっての購入理由を整理することが重要です。
海外向けShopifyで必要な基本要素
A. 多言語対応
海外向けECでは、英語または対象国の言語で商品価値を伝える必要があります。
ただし、単なる直訳では不十分です。
日本語の商品説明をそのまま英語にしても、海外ユーザーが知りたい情報になっていないことがあります。
海外ユーザーが知りたいのは、
何の商品なのか。
どう使うのか。
サイズはどのくらいか。
素材や成分は何か。
注意点はあるか。
どんな人に向いているか。
配送や返品はどうなるか。
関税や追加費用はあるか。
本物かどうか信頼できるか。
といった情報です。
多言語対応は、言葉を変えることではなく、海外ユーザーが安心して理解できる情報に編集することだと思います。
B. 多通貨・価格表示
対象国の通貨で価格が見えると、購入しやすくなります。
日本円だけで表示されていると、海外ユーザーは自分の通貨でいくらなのかを計算しなければいけません。
また、送料、関税、税金が含まれているのか、別でかかるのかも重要です。
後から追加費用が出ると、不満につながります。
価格表示は、単なる数字ではなく、購入前の安心感に関わります。
C. 決済方法
決済方法も重要です。
クレジットカード、Shop Pay、PayPal、Apple Pay、Google Payなど、海外ユーザーが使いやすい決済手段を用意する必要があります。
国によって好まれる決済方法は違います。
購入直前で、自分が使いたい決済方法がないと、そこで離脱する可能性があります。
越境ECでは、決済方法が合わないだけで売れないこともあり得ます。
D. 配送・送料・日数
海外購入でユーザーが気にするのが、配送です。
どの国に配送できるのか。
送料はいくらか。
何日くらいで届くのか。
追跡できるのか。
配送中に破損した場合はどうなるのか。
これらが不明確だと、不安になります。
特に海外発送では、送料が高くなりやすいです。
商品価格は納得できても、送料を見て離脱するケースもあります。
そのため、商品ページやFAQで配送情報をわかりやすく説明することが大切です。
E. 関税・税金の説明
越境ECでは、関税や輸入税が発生する場合があります。
それが購入者負担なのか、事業者側で処理するのか、事前に説明する必要があります。
追加費用が後から発生すると、顧客満足度が下がります。
海外ユーザーにとって、予想外の関税や手数料は大きな不満になります。
特に高単価商品では、関税や税金の扱いを明確にしておく必要があります。
F. 返品・交換ポリシー
海外購入では、返品・交換ポリシーも重要です。
返品できるのか。
返品できないのか。
破損や誤配送の場合はどう対応するのか。
返品送料は誰が負担するのか。
何日以内なら対応できるのか。
このあたりが明確でないと、購入前の不安になります。
高単価商品ほど、返品・交換ルールはしっかり書くべきです。
G. 規制・販売条件
食品、化粧品、サプリメント、医薬品、酒類、電化製品などは、国ごとの規制確認が必要です。
成分表示、ラベル、認証、輸入可否などを確認する必要があります。
日本では普通に販売できる商品でも、海外では販売条件が異なることがあります。
最初に海外向けECを作るときは、規制が重い商品を扱う場合ほど慎重に確認した方がよいと思います。
JETROなどの公的機関の情報も参考になります。
H. 信頼情報
海外ユーザーにとって、知らない日本のECサイトから買うのは不安があります。
その不安を減らすために、信頼情報が必要です。
会社情報。
ブランドストーリー。
レビュー。
FAQ。
問い合わせ先。
配送実績。
SNSアカウント。
安全な決済。
返品ポリシー。
商品写真や動画。
これらが整っているほど、購入前の不安を減らしやすくなります。
海外向けECでは、商品そのものの魅力だけでなく、「このサイトで買って大丈夫そう」と思ってもらうことが重要です。
海外向けの商品ページで意識すべきこと
A. 商品名をわかりやすくする
海外向けの商品ページでは、商品名が重要です。
日本語の商品名だけでは、海外ユーザーに何の商品かわからない場合があります。
商品名には、用途や特徴がわかる英語名や説明名を入れると伝わりやすくなります。
たとえば、
商品名 + 用途 + 特徴
のように考えます。
ブランド名だけではなく、「Japanese Matcha Powder for Latte」「Japanese Stationery Erasable Gel Pen」「Handcrafted Japanese Kitchen Knife」のように、何の商品かがわかる形にするイメージです。
B. ファーストビューで価値を伝える
商品ページの最初の画面では、何の商品なのか、誰向けなのか、何が良いのかを伝える必要があります。
海外ユーザーは、日本の商品知識がないこともあります。
だからこそ、最初に、
これは何か。
誰に向いているか。
何が便利なのか。
なぜ日本から買う価値があるのか。
を明確にすることが大切です。
C. 写真と動画を充実させる
海外向けECでは、写真と動画がかなり重要です。
商品単体写真だけでなく、利用シーン、サイズ感、使い方、開封、Before/After、素材感、質感が伝わる写真や動画があると、購入イメージを持ちやすくなります。
特に海外ユーザーは、実物を見たり触ったりできません。
だからこそ、写真と動画で不安を減らす必要があります。
D. 海外ユーザーが不安に思う点を先回りする
商品ページでは、海外ユーザーが不安に思う点を先回りして答えることが重要です。
サイズ。
素材。
成分。
使い方。
賞味期限。
配送。
関税。
返品。
本物かどうか。
レビュー。
これらをFAQや商品説明で整理しておくと、購入前の不安を減らせます。
E. レビューやUGCを入れる
レビューやUGCも重要です。
UGCとは、ユーザーが投稿した写真、動画、レビューなどのことです。
海外顧客の声があると、信頼につながります。
最初は海外レビューがないかもしれません。その場合は、日本国内のレビュー、モニターの声、利用シーンの写真、SNS投稿などでも信頼材料になります。
ただ、対象国のレビューが増えるとかなり強いです。
「自分と同じ国の人が買って満足している」という情報は、購入の後押しになります。
F. ストーリーを伝える
海外向けECでは、ストーリーも重要です。
なぜ作られた商品なのか。
どんな地域や職人、素材と関係があるのか。
どんな日本らしさがあるのか。
なぜこの価格なのか。
特に工芸品、高付加価値商品、ギフト商品、地域商品では、背景を伝えることが価値になります。
日本人にとって当たり前の背景でも、海外ユーザーにとっては魅力になることがあります。
Shopifyで海外向けECを作るときの集客導線
Shopifyは自社ECなので、作っただけでは人は来ません。
集客導線を考える必要があります。
A. SEO
英語や対象国の検索キーワードを意識して、商品名、カテゴリ名、ブログ記事、FAQを整えます。
たとえば、
Japanese snacks
best Japanese skincare
Japanese stationery
how to use matcha powder
Japanese kitchen knife
のようなキーワードです。
商品ページだけでなく、使い方、比較、選び方、文化背景の記事を作ることで、検索流入や信頼形成につながる可能性があります。
B. SNS
Instagram、TikTok、YouTube Shorts、Pinterestなどは、海外向けECと相性があります。
特に日本商品は、動画で魅力が伝わるものも多いです。
開封。
使い方。
比較。
レビュー。
ストーリー。
Before/After。
職人の作業風景。
訪日中の購入体験。
商品を動画コンテンツ化する視点が重要です。
C. 広告
Meta広告、Google広告、TikTok広告なども選択肢になります。
ただし、最初から大きく広告費を使うより、少額で訴求テストする方が現実的です。
国、商品、コピー、クリエイティブごとに反応を見ることで、どの切り口が刺さるのかを確認できます。
D. インフルエンサー・UGC
対象国の小規模インフルエンサーやクリエイターに商品を使ってもらう方法もあります。
大物インフルエンサーでなくても、ニッチなテーマに強いクリエイターの方が合う場合もあります。
レビュー動画や購入品紹介、開封動画、使い方紹介は、海外向けECと相性が良いです。
E. ブログ・コンテンツ
越境ECでは、コンテンツが信頼形成にもなります。
商品説明だけではなく、
使い方。
比較。
選び方。
文化背景。
よくある質問。
ギフト提案。
日本での使われ方。
などを記事化することで、商品理解を深められます。
F. インバウンドとの接続
海外向けShopifyは、インバウンドとも相性があります。
訪日中に商品を知る。
店舗でQRコードから海外発送ページに誘導する。
帰国後に再購入できる導線を作る。
SNSフォローやメール登録につなげる。
このように、訪日中の体験と帰国後ECをつなげることで、単発の観光消費ではなく継続接点を作れる可能性があります。
ShopifyとAmazon・Shopee・eBayの違い
海外向け販売を考えるとき、Shopifyだけでなく、Amazon、Shopee、eBay、Etsyなども選択肢になります。
Shopify
Shopifyは、自社ブランドの世界観を作りやすいです。
商品ページの見せ方、ブランドストーリー、ブログ、メール、顧客データなどを自社で設計しやすいのが強みです。
一方で、集客は自分で行う必要があります。
自社ECを作っただけでは、誰も来ません。
Amazon
Amazonは、購買意欲の高いユーザーがいるのが強みです。
ユーザーはすでに買うつもりで検索していることが多く、信頼性もあります。
一方で、競合比較や価格競争になりやすく、ブランド世界観は出しにくいです。
レビューも重要になります。
Shopee・Lazada
ShopeeやLazadaは、東南アジア向け販売で選択肢になります。
現地の購入習慣に合いやすい場合もあります。
ただし、価格競争、物流、マーケットプレイス運用、現地のプロモーション理解が必要です。
eBay・Etsy
eBayやEtsyは、中古品、コレクター商品、ハンドメイド、工芸、ニッチ商品との相性を考えやすいプラットフォームです。
商品カテゴリによっては、需要検証に使いやすい場合があります。
最初はどれを使うべきか
ブランドを作りたいなら、Shopifyは有力な選択肢です。
一方で、需要検証やマーケットプレイス販売なら、Amazon、eBay、Etsy、Shopeeなども選択肢になります。
最初からShopify単独にこだわるのではなく、Shopifyとモールを併用する考え方もあります。
たとえば、Amazonで需要を確認し、Shopifyでブランドページを育てる。
Etsyで反応を見て、Shopifyに誘導する。
SNSからShopifyに誘導する。
このように、役割を分けると考えやすいです。
最初に作るなら「完璧な海外EC」より「検証できる海外EC」
海外向けECを作るとき、最初から完璧を目指しすぎない方がよいと思います。
多言語、多通貨、全世界配送、全商品対応、ブログ大量作成、広告運用、インフルエンサー施策。
これを最初から全部やろうとすると、時間もコストもかかります。
最初は、検証できる海外ECで十分です。
たとえば、
1国に絞る。
1商品または1カテゴリに絞る。
英語LPまたはShopifyの簡易ストアから始める。
SNSや広告で反応を見る。
メール登録や問い合わせを取る。
少量販売でテストする。
売れた理由、売れなかった理由を分析する。
レビューや問い合わせを商品ページ改善に使う。
こうした流れです。
越境ECでは、最初から大きな正解を作るより、小さく出して学ぶ方が現実的だと思います。
よくある失敗パターン
Shopifyで海外向けECを作るときには、いくつか失敗しやすいパターンがあります。
Shopifyを作れば売れると思ってしまう
Shopifyは便利な土台ですが、集客してくれるわけではありません。
サイトを作った後に、どう見つけてもらうかを設計する必要があります。
日本語サイトをそのまま英訳しただけ
日本語サイトの直訳では、海外ユーザーの不安や疑問に答えられない場合があります。
海外向けには、使い方、サイズ、素材、配送、関税、返品、レビューなどをより丁寧に書く必要があります。
配送、関税、返品情報が不明確
海外ユーザーは、配送費、配送日数、関税、返品条件を気にします。
ここが不明確だと、購入直前で離脱しやすくなります。
対象国が広すぎる
全世界向けにすると、結果的に誰にも刺さらないサイトになることがあります。
最初は対象国や顧客を絞る方がよいと思います。
商品数を増やしすぎる
商品数が多いと、管理も説明も複雑になります。
最初は商品数を絞り、一つひとつの商品ページを丁寧に作る方が学びやすいです。
SNSや広告の導線がない
Shopifyは自社ECなので、導線がなければアクセスは増えません。
SEO、SNS、広告、インフルエンサー、ブログ、インバウンド接点など、どう見つけてもらうかを考える必要があります。
規制確認を後回しにする
食品、化粧品、サプリメント、酒類などは、規制確認を後回しにすると大きな問題になる可能性があります。
販売前に確認することが大切です。
レビューを集める仕組みがない
海外向けECではレビューが重要です。
購入後にレビューを依頼するメール、SNS投稿の促進、UGCの活用などを考える必要があります。
日本企業・個人が学べること
Shopifyで海外向けECを作ることから学べることは、かなり多いです。
まず、Shopifyはあくまで売るための土台であり、売れる理由は別に作る必要があります。
海外向けECでは、商品ページが営業資料であり、接客でもあります。
なぜこの商品なのか。
どう使うのか。
なぜ日本から買う価値があるのか。
不安な点は何か。
買った後どうなるのか。
これらをページ上で伝える必要があります。
また、日本らしさは強みになる可能性がありますが、説明しないと伝わりません。
日本の地域性、職人性、品質、機能性、限定感、ギフト性、文化背景などは、海外ユーザーにわかる形に編集する必要があります。
そして、最初から全世界に売ろうとしないことも重要です。
1国、1商品、1チャネルで小さく検証し、海外ユーザーの反応を見ながら改善していく方が現実的です。
個人が小さく始めるならどんなアイデアがあるか
個人でも、Shopify的な考え方を小さく試すことはできます。
1商品だけの英語LPを作る
まずは1商品だけの英語LPを作り、海外ユーザーの反応を見る方法です。
商品説明、写真、価格、配送条件、メール登録フォームを用意するだけでも、需要検証になります。
Shopifyで1カテゴリだけの小さなストアを作る
商品を大量に並べるのではなく、1カテゴリに絞った小さなストアを作る方法です。
たとえば、日本の文房具、日本茶、便利グッズ、デジタル商品などです。
海外向け商品説明の改善サービスを作る
日本企業向けに、英語の商品説明や商品ページの改善を支援するサービスも考えられます。
海外ユーザーが不安に思う点を整理し、FAQや商品ページ構成を提案する形です。
日本商品の英語レビュー分析ブログを書く
Amazon.comや海外レビューを分析し、日本商品が海外でどう評価されているかを記事化する方法です。
これは、世界市場探索ラボの方向性とも相性が良いです。
TikTokやInstagramで商品反応を見てからEC化する
先にSNSで商品やテーマを発信し、反応があるものをShopifyに展開する方法です。
いきなりECを作るより、需要の兆しを見やすいです。
訪日外国人向けの商品ガイドからShopifyに誘導する
「日本で買うべき商品」ガイドを作り、帰国後にShopifyで再購入できる導線を作る方法です。
インバウンドと越境ECをつなげる考え方です。
デジタル商品やPDFレポートをShopifyで販売する
物理商品だけでなく、PDFレポート、テンプレート、チェックリスト、調査資料などをShopifyで販売することもできます。
在庫リスクがないため、個人でも試しやすいです。
小さな越境EC実験をブログで公開する
自分で小さな海外向けEC実験を行い、その過程をブログで公開する方法です。
何を売るのか。
どの国を狙うのか。
どんなLPを作るのか。
どんな反応があったのか。
こうした実験記録自体がコンテンツになります。
Shopify海外向けECのチェックリスト
Shopifyで海外向けECを作るときは、以下の問いで確認すると整理しやすいです。
・最初に狙う国はどこか
・誰に売るのか
・なぜその商品が海外で買われるのか
・英語または対象国言語で価値が伝わるか
・価格、送料、関税、配送日数は明確か
・決済方法は対象国に合っているか
・返品・交換ポリシーは明確か
・規制確認は必要か
・商品ページに写真、動画、レビュー、FAQがあるか
・集客導線はあるか
・購入後にレビューや再購入につなげる仕組みはあるか
このチェックリストを使うと、Shopifyを単なるサイト構築ではなく、海外販売の導線として見やすくなります。
マーケティング視点でのまとめ
Shopifyで海外向けECを作るときは、マーケティング視点で見ると以下の5つが重要です。
誰に売るのか
国だけでなく、その国の中の具体的な顧客像を考えます。
なぜ買われるのか
海外ユーザーにとって、その商品を日本から買う理由を言語化します。
どう安心して買ってもらうのか
商品説明、レビュー、FAQ、配送、関税、返品、決済、会社情報で不安を減らします。
どう見つけてもらうのか
SEO、SNS、広告、インフルエンサー、ブログ、インバウンド接点などの導線を設計します。
どう購入後につなげるのか
レビュー依頼、メール、SNSフォロー、再購入、関連商品、コミュニティなどで継続接点を作ります。
今後の考察:Shopifyは土台であり、売れる理由は別に作る必要がある
Shopifyは、海外販売の便利な土台です。
多言語、多通貨、決済、アプリ連携、自社ECの自由度など、越境ECに向いている部分は多いと思います。
ただし、売れるかどうかは、Shopifyを使うかどうかだけで決まりません。
商品価値。
国選定。
商品ページ。
配送情報。
関税説明。
返品ポリシー。
レビュー。
SNS導線。
広告。
購入後のメール。
これらをどう設計するかで変わります。
海外向けECでは、商品ページとFAQ、配送情報、レビュー、SNS導線が特に重要だと感じます。
日本企業や個人は、最初から大きなECを作るより、小さく検証できる海外向け販売導線を作る方が現実的です。
世界市場探索ラボでは、今後もShopify、越境EC、海外ブランドの商品ページ、レビュー、SNS導線を観察しながら、世界の売れ方を考えていきたいです。
まとめ:Shopify海外向けECは「作る」より「買いやすく設計する」が大事
今回は、「Shopifyで海外向けECを作るには何が必要か?」というテーマで考えてみました。
Shopifyで海外向けECを作るには、以下のような要素が必要です。
・国選定
・商品ページ
・多言語
・多通貨
・決済
・配送
・関税
・返品
・規制
・信頼形成
・集客導線
・購入後の再接点
重要なのは、海外から買えるサイトではなく、海外の人が安心して買えるサイトにすることです。
最初は、1国、1商品、1チャネルで小さく検証するのが現実的だと思います。
サイトを作ることがゴールではありません。
海外ユーザーが見つけて、理解して、安心して買い、届いた後に満足し、また接点を持てる状態を作ること。
そこまで含めて、Shopifyの海外向けECは設計する必要があると感じました。
次回は、今回の内容ともつながる「海外ブランドの商品ページは何を伝えているのか?」または「海外レビューを読むと商品の本当の強みが見える」について、さらに具体的に観察してみたいと思います。
参考情報:
・Shopify 公式サイト
・Shopify Help Center:Markets、International sales tools、Duties and import taxes
・JETRO 越境EC・海外販売関連情報
・経済産業省 電子商取引に関する市場調査
・配送会社の海外配送情報
・決済サービス各社の公式情報
・Amazon、Shopee、eBay、Etsyなど各マーケットプレイス公式情報

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